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「コーキング剤」という言葉を聞いたことはありますか?聞いたことはあるけど詳しくは知らないという人が多いのではないでしょうか。
コーキング剤は住宅の所々で使われていますが、水漏れの補修材としても使うことが出来ます。
ただし、水漏れの補修として使う為には、コーキング剤のことを良く知る必要があります。
今回はコーキング剤の特徴やどんな水漏れ症状の補修に向いているのか、使う上で必要になる道具や正しい補修の仕方などを解説して行きます。
目次
コーキング剤とは、建物の外壁や水回りの隙間を埋める為に使用されるものです。
ペースト状の樹脂で出来ていて、対象の場所に塗布して使用します。
塗布したコーキング剤は時間が経つと固くなり、最終的にはゴムとなって隙間を埋めます。
ちなみにコーキングと似た言葉で「シーリング」というものもあります。
このコーキングとシーリングはどの様な違いがあるのかというと、特に明確な違いはありません。
どちらも同じもので名称が違うだけと捉えて問題ありません。
コーキング剤にはいくつかの種類があり、その中には水漏れの補修に向いている物と向いていない物があります。
コーキングの容器は基本的に形状が同じで、表記で種類を見分ける必要があります。
コーキングによる補修は基本的に塗布するだけなので、DIYでも充分行うことが出来ます。
しかし、正しい使い方をしなければ状況を悪化させる恐れもあるので、コーキングで補修できる水漏れの症状、水漏れの補修に適したコーキング剤、コーキングの使用手順などを知っておく必要があります。
補修用のコーキング剤には「1成分形」と「2成分形」という2つのタイプがあります。
主流となっているコーキング剤は「1成分形」の物で、空気中の水分と反応して表面から硬化して行きます。
ちなみに2成分形は硬化剤を混ぜ合わせて使用する物です。
コーキング剤には色々な種類がありますので、代表的な物を紹介いたします。
コーキングの種類 | 特徴 |
---|---|
シリコン系コーキング剤 | ・シリコン樹脂が原材料のコーキング剤 ・水回りの補修に適している ・シリコンオイルが出ているので上から塗布できない |
変成シリコン系コーキング剤 | ・変成シリコン樹脂を主成分としたコーキング剤 ・主に外壁やサッシの隙間などに使用される ・シリコン系と変成シリコン系は全くの別物 |
ウレタン系コーキング剤 | ・ポリウレタンを主成分としたコーキング剤 ・主にコンクリートの補修や木材などに使用される ・紫外線に弱い為、使用する際は上からの塗装が必要 |
この中で水漏れの補修に適しているのは「シリコン系コーキング剤」です。
購入する時に間違えないようにしましょう。
コーキング剤は水漏れの補修に使用出来ますが、全ての水漏れに使用出来る訳ではありません。
コーキングで補修できる水漏れ症状は基本的に「排水管、排水部品関係」の水漏れとなります。
給水管や蛇口の水漏れは補修できませんのでお気を付けください。
それでは具体的にコーキングで補修できる水漏れ症状を見て行きましょう。
キッチンシンク、洗面ボウル下に水漏れ
原因:キッチンシンク、洗面ボウルに穴が空いている
下の階の浴室天井から水漏れ、浴室の下に水が溜まる
原因:浴室点検口の隙間から水漏れ
キッチンシンク下、キッチン床に水漏れ
原因:キッチンシンクと壁の隙間から水漏れ
洗面台Sトラップから水漏れ
原因:洗面Sトラップのひび割れ、破損による水漏れ
浴室の下に水が溜まる
原因:浴槽と壁の隙間から水漏れ
他にもありますが、コーキングで補修出来る水漏れの代表的なものは上記になります。
また、水漏れ症状①、②、⑤はコーキングじゃないと補修できない内容でもあります。
コーキング剤の補修は塗布するだけなので簡単ですが、コーキング剤だけ持っていても補修は出来ません。
補修する為には他にも必要な道具があります。
また、コーキング剤の取り扱い方を知っていないと余計に状況を悪くしてしまうこともあります。
なので、ここではコーキング補修をする上で必要な道具とコーキング補修の手順、注意点を紹介いたします。
しっかりと水漏れ部分を密閉する為、仕上げをキレイにする為にはコーキング剤以外にも必要となる道具があります。
以下の表をご覧ください。
水漏れのコーキング補修に必要な道具 | |
---|---|
道具 | 用途 |
コーキング剤(シリコン系) | 水漏れ箇所に塗布する |
コーキングガン | コーキング材を押し出す為の器具 |
プライマー | コーキング材の密着性を高める為の下地材 |
マスキングテープ | 塗布する場所の両サイドに貼り、仕上がりをキレイにする |
カッター | 古いコーキングを取り除く |
ヘラ | コーキング材を均一にして仕上がりをキレイにする |
軍手 | 手を保護する |
ビニールシート | 床を保護する |
ティッシュペーパー、雑巾 | 各所の拭き取り用 |
コーキングガンは名前の通り、銃の様な形状をしていて、持ち手を絞ることでコーキング剤が出て来ます。
ヘラは表面を均す為に使用しますが、横幅の広いヘラは作業がしにくいので向いていません。
ヘラは幅が狭く、先端の丸まった物が使いやすくおすすめです。
コーキング剤はペースト状なので、慌てたり急いだりすると壁や床など関係ない所に付着してしまうことがあります。
中でもコーキングの床への付着は注意が必要です、
シリコン系のコーキング剤はシリコンオイルが出ているので、床に付着するとキレイに取り除いても滑りやすくなります。
転倒の危険性もあるので床にはビニールシートを敷いて作業をするようにしましょう。
尚、今回紹介した道具は、全てホームセンターやインターネット通販で購入出来ます。
コーキング剤での補修手順と注意点を紹介して行きますが、今回は水漏れ箇所にコーキングを初めて塗布するケースで解説して行きます(コーキング切れや過去にコーキング処理がされていたケースを除く)
水漏れ箇所の水分はしっかりと拭き取りましょう。
水分があるとコーキング剤は上手く付きません。
隙間に水が入り込んでいる場合は、タオルでは拭き取り切れませんのでティッシュペーパーを使って拭き取りましょう。
コーキング剤を塗布する範囲をマスキングテープで囲います。
マスキングテープはよれたりたわんだりしない様に貼り付けましょう。
マスキングテープは剥がしても貼り付けた後が残らないテープなので、上手く貼り付け出来なくても付け直しが可能です。
ただし、何度も付け直していると粘着力が弱くなるのでお気を付けください。
尚、マスキングテープは、水漏れ症状④の洗面台Sトラップからの水漏れ補修には使用しません。
下地となるプライマーを塗布します。
ただし、コーキングを剥がした後やコーキングの上に新しいコーキング剤を塗布する訳では無いので、準備できなかった場合はプライマー無しでも大丈夫です。
まず、新品のコーキング剤の使える状態にします。
筒のシリコンコーキング剤から三角錐のキャップを外して、キャップの先端をカッターで切ります。
穴を大きくするとコーキング剤の出る量が多くなり、穴を小さくすると出る量が少なくなります。
シリコンコーキングの筒内は密閉されているので、捨てる事のできる割り箸などで突き、コーキングを出せる状態にします。
三角錐のキャップを取り付けたら、コーキングガンにセットして準備完了です。
対象の場所にコーキング剤を塗布して行きます。コーキングガンの取っ手を絞って行くとコーキング剤が出てくるので、隙間が空かない様に塗布して行きましょう。
塗布し終わったらコーキング剤を止めますが、コーキングガンの圧力が加わったままだとコーキング剤が出て来てしまうので、すぐにコーキングガンの圧力を開放する必要があります。
出て来てしまったコーキング剤は壁や床に付かない様、ティッシュペーパーで受けましょう。
塗布したコーキング剤をヘラで均して行きます。コーキング剤の厚みを均一にし、表面がいびつにならない様に整えましょう。
ただし、あまり手を加え過ぎるとコーキングがどんどん薄くなって行きますのでお気を付けください。
また、使用した後はヘラに付いたコーキング剤をキレイに拭き取りましょう。
コーキング剤をヘラで均したらマスキングテープを剥がしますが、マスキングテープは時間を開けずに剥がしましょう。
時間を空けて剥がすと、コーキング剤が一緒に取れてしまう恐れもあります。
また、剥がしたマスキングテープにはコーキング剤がベットリ付いているので、ティッシュペーパーに包んで捨てるようにしましょう。
マスキングテープを剥がしたら作業自体は終了です。
ただし、コーキング剤は固まるまでに時間がかかるので乾燥させる時間が必要です。
乾燥するまでの時間は、24時間ほど見ておいた方が良いでしょう。
なので、その間は触ったり水を流したりしないでください。触るなどして変形するとそのまま固まってしまいます。
24時間乾燥させたら水を流して水漏れが無いかを確認します。
水漏れが無ければコーキングによる補修は完了です。
コーキング剤を塗布しても水漏れ症状が改善しない場合は、水道業者に依頼しましょう。
何度もコーキング剤を塗り重ねたりしていると、修理をする時のネックになる恐れがありますのでご注意ください。
今回はコーキング剤を使った補修について解説して来ました。
コーキングによる補修はあくまでも応急処理であり、修理ではありません。
この点は間違えないようにしましょう。
タイミングを見て、修理を業者に依頼することが必要です。